「ミニマリストなんですよ」
と言うと、部屋に何も置いていない、引っ越したばかりの家で暮らしているようなイメージを持たれて、
「そんな家で生活できるのすごいね」
「毎日同じ服着て飽きない?」
「物欲ないんですね」
など、概ね驚かれます。
「ミニマリスト」という存在は何となく知っていても、自分たちとは全く違う存在だという印象を持たれている気がします。
でも、実際は全然そんなことないです。
むしろ、物への執着があるからこそ、「ミニマリズム」という考え方に行き着いたとも思います。
新商品が出れば試してみたくなりますし、“限定品”という言葉にも弱いです。
シリーズものの商品なら、全てコンプリートしたくなります。
ミニマリストになる前は、友達から貰った旅行先のお土産を封も開けずにしまっておいたり、コミック雑誌を捨てられずに取って置くような状態でした。
では、いったい何が変わったのか?
ミニマリズムを実践できた理由は何なのか?
それはおそらく、「時間を長く捉えられるようになった」からだと思います。
目の前に欲しいものがあるとき、どんなことを考えているでしょうか?
「これを手に入れれば、生活がより良くなりそう」
「これを経験できれば、別のことに生かせるかも」
いや、もっと単純に、
「うわぁ!欲しい!どうしても欲しい!」
だったかもしれません。
そのとき考えていることって、めちゃくちゃ短期的な未来しか見えていない気がします。
それを手に入れた瞬間から明日まで、よくて1週間先までしか見えていなかったように思います。
ましてや、1か月、1年先のことなんて、その瞬間には頭に浮かぶことすらありませんでした。
欲しいものがあることは今でも変わりません。
ただ、「欲しい!」と思った次の瞬間に、「手に入れたあとのこと」が思い浮かぶようになってしまったのです。
「毎日生活する中で邪魔にならないか」
「掃除やメンテナンスは大変か」
「手放すときは売りやすいもしくは捨てやすいか」
それらを一通り考えたあと、結果として「でも、要らないな」という結論が出ているだけなのです。
未来のことを考える。
それだけで、ミニマリストに一歩近付いているのかもしれません。
余談
必ずしも、短期的にしか見えていないことが悪いことではないと考えています。
「短期的なことしか頭になくなる」=「集中・熱中できている」ことだとも思うからです。
「長期的な視点を持てる」というのは、冷静で的確な判断ができるという一方で、“冷めて”しまっているのかもしれません。
どちらか一方の視点に偏っている場合は、もう一方の視点を思い出す必要がありそうです。
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